世間知らず

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あたしは人つき合いが苦手で、周りの顔色ばかり伺ってた。   しかも中学の時のタメの女の子が同じ職場に先に就職していて、彼女が一番苦手だった。   あたしは中学時代はイジメられていた。   その子とは別々のクラスだったから、直接な関係は何もない。   ただその子がヤンキーグループにいただけの話。   だけど、あたしにはその子が恐ろしかった。   ずばりとキツめに話す、怒る、蔑んだ目であたしを見る。   あたしは、その子がいなくなって欲しかった。   だから、その子が休みの日だけが、安心して仕事が出来た。   あたしは、その子が大っ嫌い。   そのせいか、自然と周りにも過剰なくらいに気を使って、馴染めずにいた。   女には…ね…   あたしは、男の従業員、1つ上の人からおじさんまで、男の人とは気軽に話せた。     あたしは女が嫌いだった。   集団でたむろって、陰口を叩き、男には愛想を振りまく。   そんな女が嫌いだった。   男の人といると、楽しかった。   陰口言わないし、小さな事なんて根に持たず、サバサバしてるから。   それよりも何よりも…   守ってくれるから…   正直、あたしが一番ズルイ女だった。
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