5/5
前へ
/5ページ
次へ
「ねぇ、キミ、合コン戻らなくていいの?」 急に少女が話しかけてきた。 「ちょっと、そんなに怪訝そうな顔をしないでよ~」 ぷー、と頬を膨らましながら言った。 「僕、そんなに怪訝そうな顔してる?」 「うん、眉間にシワがよってるよ」 少女は自分の眉間を指差して言った。 僕は自分の眉間に手をあててみると確かにシワがよっていた。 「本当だ・・・」 「ほらね」 少女は得意気に言った。 「ごめん、そんな気はなかったんだけど・・・」 「分かればよろしい。で、来んな所で長時間何をしているのかな?」 僕は少女から視線を外し、星を見上げてそっと言った。 「星を見ていた」 「へ?」 少女はポカンとした顔になった。 「星?」 「そう、星。」 「なぜ?」 「・・・合コンが苦手だから」 少女はプッと吹き出して笑い出した。 「あはははっ、はははっ」 僕はムッとした顔になった。 「そんなに笑うなんて酷いじゃないか」 「はははっ、ごめん、ごめん、ププッ」 少女は口を塞ぐが、あまり意味がないみたいだ。 「で、キミはなんでこんな所にきたの」 僕は笑いを堪えて肩を震わせている少女に聞いてみた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加