残業

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目が覚めたら、真っ白な天井が目に入った。 (……あ、そうだ) まだ疲れのとれない体を起こして伸びをしたら、体がミシミシ軋んだきがする。 昨日はクリスマスだった。 会社の窓からも綺麗なイルミネーションとか、幸せそうなカップルなんかが見えたりした。 ……私は残業。 あまりに遅くなって、家に帰る意味もないからそのまま会社のソファに横になって泊まった。 コーヒーでも飲もうと立ち上がったら、ガチャンとだれかが入ってきた。 「あ、おはよう篠崎さん。 家帰らなかったんだ?」 「おはようございます部長」 この部長は、容量がいいから仕事も出来て、器量もいいから結婚もしていて、おまけに性格もいいから人に好かれるいわゆる才色兼備な女だった。 「今日はもう帰っていいよ?」 「……ありがとうございます」 帰れることは、あまり嬉しいことでもない。
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