残業

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バイクに乗って、会社から40分。 家は、一人にはちょっと広すぎる部屋を借りていた。 正確には、借りさせられたんだけど。 部屋に入って、靴を脱ぎ散らかしてバックもヘルメットも投げ捨てる。 それを、機械の手がのびてきて、靴を整えバックとヘルメットを定位置に持っていく。 今の時代はこんなふうにほとんどが全自動になってるから独りでいて特に家事に困ったこともないし、料理ができないからって困ったこともない。 なんだかすごく疲れて、着替えもしないでまっすぐに寝室にいった。 この空間の中で、唯一機械に侵食されていない場所。 うざったい機械音もないし、オイルのにおいもしないから、一番ここが好きだった。
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