残業

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しばらく横になって、うとうとし始めたとき。 携帯が鳴った。 手を伸ばして、手探りで携帯を掴む。 私に電話をかけてくるのは、会社の人か、それとも。 「……日下さん?」 「篠崎、すげーいいもんやるからラボまで来いよ」 「今日……眠くて、明日でいい?」 「だめ。 もう迎えもやったから」 あぁ、外にうるさいエンジン音が確かにしていた。 「昼飯も奢ってやるよ」 「ラボのレストランは薬臭くて好きじゃないです」 それだけ言って、電話を切る。 日下さんはいつも勝手だ。 こうなったらシャワー浴びて着替えて、とことん待たせてやろうと思った。
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