古城

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(……ねぇ…なた……見…) 「ん?…」 呆然と風景を眺めていた少女は,不意のその声に驚いた 「誰かいるの…?」 声は城の中から聞こえた 「ねぇ…誰かいま…すか?」 少女はテラスから城の中へと歩き出した (……可愛い……の子……私達の………) 窓とは反対側の壁には1階,2階ともに均等な間隔でいくつもの扉があった 声は,その中の一つから聞こえていた 「やっぱり誰かいるんだ…」 少女は声のする扉の前まで行き,立ち止まった 「[生まれ]…?」 扉には[生まれ]と文字が刻まれていた (……ねぇ,見て,目なんかあなたそっくりよ。可愛いわねぇ,私達の子よ。) 中から話し声が聞こえた コンコン 「すいません,誰かいますか?」 少女は扉を開けた
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