土砂降りの公園

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泡姫はひどく疲れ切っていて、悲しみで胸が張り裂けそうな程苦しかった。 涙が頬を伝っては雨に紛れて溶けていく…。 目を閉じると闇がぽっかりと口を開けて、私が堕ちるのをじっと待っていた。 もう何年もの間、私の心の奥底で渦巻いていた暗く重い感情は日ごとに巨大な闇へと化していた。 このまま闇に溶けて消えてしまえばいい…泡姫は切に願った。 この苦しみから、この悲しみから解き放たれるのならば恐いものなど何もない。
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