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朝の柔らかな日差し
頬を撫でる柔らかい風
『ムニャムニャ…』
新人ハンターの山中は自室のベッドで身じろぎしながら寝言を呟いた
『ほほう…オレとの約束を忘れてお前はぐ~すか寝てるわけか』
山中を見下ろす人影、どうやら山中の知り合いのようだ
見たところ山中と同い年くらいの若い青年だった
『ん~…ムニャ…』
『全くこの野郎は…』
男は呆れ、はぁ…っとため息をつき台所へと向かった
そしてフライパンと金属製のお玉を手に持ち山中の横へ来ると勢いよくフライパンをお玉を打ち鳴らした
『うわぁぁぁ!!なんだなんだ!?』
その耳を裂く轟音に山中はベッドから跳ね起きた
『ようやくお目覚めですか?』
男は持っていたフライパンとお玉をテーブルの上に置きながら言った
『なんだレグスかぁ…びっくりさせるなよなぁ…』
山中は幼なじみの顔を見るなり安堵のため息を漏らした
『爆睡してたお前が悪い』
レグスと呼ばれたこの青年
山中の幼なじみで一緒にハンターをしている
『んで今日は何で来たんだ?金なら無いぞ?』
まだ寝惚けているらしい山中は目をこすりながら言った
『金じゃねぇよ。今日は村長に依頼を受けさせてもらう約束だったろ?』
ハンターは村長から依頼を受け、モンスターを狩りに行ったり、生活に必要な道具を危険場所に取りに行ったりするのだ
『いっけね!忘れてた!』
山中は言うなり服を着て、ポーチに必要な道具を詰め込み始めた
『おいおい準備くらいしておけよなぁ…』
先が思いやられるといった表情でレグスは苦笑いをした
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