道化師(ピエロ)

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本当の気持ちを伝えることもなく ただ 人に笑われることだけを考え 味気無い日々を過ごしていく いつもの化粧をして いつものアクセサリーを身につけ いつもの衣装を着て いざ 舞台へ ぎこちなく造られた表情は 観客(ゲスト)たちに笑いを与える おどけ わざとらしく転ぶ 一人の道化師は いつものように 舞台を去ってゆく 本当の自分を見せることもなく ただ 人に好かれることを考え それがまた 嘘をついていると いうことを知る いつもの化粧をして いつものアクセサリーを身につけ いつもの衣装を着て さあ 舞台へ 造られた道化師は 後者の前座 大袈裟な動きで笑われる 一人の道化師は いつものように 舞台を去ってゆく 道化師は心を 縛り 偽り 閉ざして生きてきた サーカスもまた 縛り 偽り 閉ざしてきた 疲れた道化師は また いつものように 舞台を去ってゆく 舞台を去ってゆく
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