プロローグ

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 旅立つにはちょうどいい青空の下、俺は町を歩いていた。石畳で舗装された地面に、石造りの家が立ち並ぶ町だ。  旅立つにはまず情報収集だよな。  ってかなんで俺旅するんだっけ?修業なんてなんでするんだ?いや、その前にこの町はなんて町だ? 「き、キャァァアアア!!」  俺のそんな思考は女性の悲鳴に遮られた。  悲鳴のもとに頭(こうべ)を巡らせると、そこには銀髪を腰のあたりまで伸ばした美女と、三人のチンピラがいた。  女性はチンピラに囲まれており、地面にへたりこんでいる。なのに周りの人は見て見ぬふりだ。  ………俺が助けずに誰が助ける! 「待てよ!!」  俺は躊躇することなく女性を庇うように立ち塞がった。 「あんだよ、正義の味方の真似事か?」 「それ以上臭い口で喋るな下衆(げす)野郎!!」  なぜだろう。こんなことを言っているのに恐怖感はない。 「んな!?こんにゃろう!!」  俺の罵倒に堪忍袋の尾が切れたのか、突然チンピラの一人が俺に殴りかかってきた。突然のことに俺は頬を殴られたが、まったく痛みを感じない。 「弱いんだよ!!」  俺は殴ってきたチンピラを刀の柄で殴り、そのまま左手から襲い掛かってきたチンピラを、鞘に納まったままの刀で薙払う。  残りのチンピラは動いていなかったが、むかついたので刀で突く。  どれもみんな一撃で気絶してしまったらしく、倒れたきり起き上がらない。ただ痙攣はしていた。
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