閉鎖

21/32
7662人が本棚に入れています
本棚に追加
/311ページ
ここは自家発電だから、発電の一つとしてこのソーラーパネルを使用しているのだろう。 でも今はそんなことどうだっていい。 俺たちは屋上の端へと歩き、そのまま下を覗く。 思わずブルッと体が震えた。 そこは足がすくんでしまうほどの高さ。地面は遙か下。 それは想像以上の高さだ。 「マジかよ…」 「高い…高すぎる…」 とてもじゃないが降りる事なんて… 左右を見渡してみるとそこに目に入るものがあった。 「あれは…」 俺はそこへ向かって走る。 「え?ちょっと…なんなのよ!」 それを目の前で確認して思わず息を呑む。 正面には沼。泥にまみれたあの沼が見えた。 そんな場所の俺の足下にそれはあった。 「これなら…」 遅れて俺に近付いてきた二人も、俺の足下にあるそれに目が止まる。 「こいつなら降りられるかもしれない…」 「こいつって…」 「そのパイプの事?」
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!