亡くした、いろ

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「空を見て、 僕等は同じ蒼の下 何処までも繋がってる」 唄いながら、 君は笑った 陽に照らされ 影はにじんだ それでも、僕は 『嘘だ  嘘だ  嘘だ』 最後まで 君の瞳を見れなかった、 だって 知ってるんだ 寄り添い瞬く星たちが ずっとずっと離れた場所で 決して交わらない事を 分かってるんだ どれ程近くで触れて居ても いつかは二人、別れる日が来て いつかは二人、忘れる事を 「綺麗な思い出なんて要らない ずっとずっと、君とふたり…」 涙を流し 僕は叫んだ 陽は再び 影を生んだ 気付けなかった 『ゴメン  ゴメン  ゴメン』 遠のく背中が揺らいでいた 最初で最後の"色"だった 君の傷を無視した僕は 今 永遠に"君"を失くした……
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