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「さむっ」
「当たり前でしょ?」
学園の皇帝ともあろう御方が、寒空に震えてるなんて…私しか見れない姿では?
「なら、これつけます?」
私は首に巻いていたマフラーを凉臣に差し出してみると、
「はぁ?そんなもんつけれるかよ」
と嫌々と首をふる。
「でも、寒いんでしょ?」と私が聞けば恥ずかしそうに頷く彼はまるで子供のよう。
結局、寒さに負け私のマフラーに手をかけると、片方だけ首に巻いて私を抱き寄せる。
「え?」
「…ぅ」
「?」
私は聞き取れず、首を傾げると恥ずかしそうに
「ありがと…な」
と。
いつもは我が儘に自己中にし、何より俺様的な言い方しかしない凉臣が、初めてじゃないかと思えるほどこの言葉は嬉しい。
だから私も。
「メリークリスマス。」
彼とずっと一緒にいられますように…
そして、
来年も再来年も今日という日を過ごしていきたいな。
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