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次の日。
小鳥の囀ずりが朝の到来を告げる。
心地よい太陽の光が部屋を照らし、俺を起こそうと試みる。
「ん…もう朝か。」
…だが俺は屈しない!!
強靭な意志を持って俺は寝る。おやすみ!!
この二度寝の瞬間が最っ高に気持ちいいんだよなぁー。
…。
……。
………。
―――タン、タン、タン、タン。
小気味良いリズムで階段を昇る音が微かに聞こえる。
―――カチャ。
ドアを開いたその主は、静かにベッドへと近付いた。
……ガスッ!!!
「ってぇ~~~!!!!!」
「あら、おはようヒロト君。今日もいい1日になりそうね」
声の方へ顔を向けると、制服を着た女子がニッコリと微笑んでいる。
「サヤカ、お前なぁ…殺す気か!?」
俺は文句を言わずにはいられない。
断固として泣き寝入りはしない主義なんでな。
「チッ…本気で蹴りを入れたのに、まだ生きてたか」
悔しそうな表情を浮かべるサヤカ。
そして第2撃の準備へ。
マズイ!このままでは、殺られるっ!?…仕方がない。
「ってオーイ(つ´∀`)つ」
ここは戦略的撤退を展開せずにはいられない。
自分が一番可愛い主義だからな。
「あら、冗談よ。とにかくさっさと支度してね。」
ニコリともしないでそういうと、サヤカは下へと降りていった。
「ったく、冗談で本気蹴り入れるなっての…。とりあえず、準備しないとな。」
虚しい気分を抑えながらも、さっさと着替えをして下へ降りる。
「……。」
サヤカが俺の家族と談笑している。
「あ、やっと起きたの。あんまサヤカちゃん待たせないで早く顔洗いなさい。」
「いいんですよ~おばさん。もう慣れっこですから~。」
なんて甘ったるい声だ!
さっきの殺気はどこへいった!!
「いつも有り難うね、サヤカちゃん。あんな駄目息子のために。」
オフクロ、騙されてるぞ。
「早くしろよヒロト!!サヤカちゃん待たせんな。」
オヤジ、お前もか。
家族まで敵に回したくはないので、さっさと準備をした。
…決して降伏ではない。
「行ってきまーす。」
学校へと向かった。この時間なら余裕だろう。
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