送り先2:石田三成の場合…

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よく晴れた冬のある日。 年末の準備をと忙しく動く将のもとに、珍しい相手からの贈り物が届きました。   「殿、奥州の伊達政宗から年末の挨拶にと何かが送られてきていますよ」   「伊達政宗から?どれ…左近、開けてみろ」   左近が箱をあけると、そこには木で出来た人形が…   「これは…?ん、胴に線が…開けられるのか」   ふと開けた箱に目をやると一通の手紙が… 「北からの舶来品じゃ。楽しき物ゆえ送らせてもらう。人形の中に人形が入っている変わり物じゃ」 との事。   「ほう。これは珍しい。どれ…」 物珍しそうに三成が次々と開けて行くと、小鳥程度の大きさになり、最後の一つ。 周りにはたくさんの人形が。 さて、開けて見ると…   「ん?これで終わりか。……これは…」   中には小さな紙が…中には 「わざわざご苦労だな、馬鹿正直に開けおって。馬鹿め」 何とも政宗らしい一言が。   「………」   しばし眺めたあと、三成は筆と紙を用意させて…       数日後…奥州…   「政宗様。石田三成殿から返礼が届いております」   「来たか。どれどれ…ふはははは!!」   さぞ悔しがったろうと期待した政宗に届けられた物は… 「珍しき贈り物をしてくれたのは感謝しよう。だが、最後のあれは納得いかん!!次に会ったら覚えておけよ」 という内容の手紙…   「してやったりじゃ。石田三成。期待した通りじゃな」   これこそ待っていた反応よ、と言わんばかりの笑みでその手紙を眺める政宗でした。
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