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彼女だって今まで薄い革鎧で頑張ってきたのだ。
本人も言うとおりずっとぺらぺらでは命の危機。
マリアはさっき買い物するとき預かった銀貨の入った袋を出そうとするが……ない。
「どうしたのよ?」
ミサの表情から笑顔が消える。
マリアは必死にかばんをかき回すが、ない。どこをどう見ても、ない。
「マリア?」
「……ミサ。お金、スられちゃった……カモ?」
さっきぶつかってきた男だろう。
今になって思うと、わざとぶつかってきたとしか思えない。
近寄ってきた相棒に事実を告げる。
てへ、と笑ってというよりひきつった表情で。
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