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ある小さな町の産婦人科では、今にも産まれそうな一人の赤ちゃんがいた。
オギャー、オギャー。
おー、奥さん産まれましたよ。
元気な男の子ですよ。
あっ、お父さんしっかりしてください。
その日、空は雨雲がはしり、どしゃ降りの雨が降っていた。
あなた、やっと私達にも、子供が産まれてきたわね。
母親は、産まれつき身体が弱く、子供が出来にくい体質であった。
母親の歳は、三十後半ぐらい、それほど若くもなかった。
さちこ、子供が産まれて、俺は本当に嬉しいよ。
俺は、このだいちと、お前をこれからもずっと守っていくよ。
ありがとう、こういちさん。
母親の名前は、さちこと言った。
夫の名前は、こういちだ。子供は、母親の遺伝なのか、産まれつき身体が弱かった。
少しでも、健康に育って欲しいと言うことなのか、子供の名前は、だいちと名付けられた。
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