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だいちは、身体が弱いことを全く感じさせることが無いほどに、元気に育って行った。
だいちは、絵を書くことがすきだった。
だいちが書く絵は、小さな子供が書いたとは思えないほど、凄かった。
父親であるこういちは、病弱なさちこと、だいちを支えながら頑張っていた。
近所でも、評判が良く、いつも笑いの絶えない仲の良い家族だった。
だいちが小学生になって間もなくある事故が起きた。
その日、空は薄暗く、いつ暴雨になってもおかしくないくらいに、天気は悪かった。
いつもと変わらずさちこに、仕事頑張って来るよ。 と言って、こういちは家を出た。
それが、こういちの最後の言葉になるとは、その時のさちこには分かるはずもなかった。
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