別れ

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こういちが亡くなってからと言うもの、さちこからだんだんと笑顔がなくなっていった。  それだけでは無かった。 日々酒に溺れる様になっていた。  だいちは、そんな母を哀れみの目で見る様になっていった。  そして、いつからだろう………さちこは、酒を飲むと、だいちのその目が気にくわないのか、手を挙げる様になっていた。  だが、だいちは苦しくはなかった。  夜中、さちこが一人でいつも、いつも泣いていた事を知っていたからだ。  酒を飲んでないさちこは、普段通りの良い母親であったし、だいちの学校行事等は、欠かさずに足を運んでいた。  そんな感じで、約二年くらいの年月が流れたであろうか、さちこは、昔の面影すらない程に、痩せ細り、その顔には、何の希望も見当たらない、そんな日々を過ごしていた。
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