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黒龍はしばらく周りを見回していると、視界にキラッと光る何かを見つけた。
近づいてその何かを拾ってみた。
コクリュウ『これは………お母さんの髪飾り……』
それは紅がいつも肌身【ハダミ】離さず身につけていた、
父・柏【ハク】から貰【モラ】ったと嬉しそうに話していた、
赤と黄の石で装飾【ソウショク】を施【ホドコ】された髪飾りだった。
コクリュウ(これがあるって事は、お母さんは中にいるの………?)
ズキンッ
コクリュウ『いたっ!!!』
そんな事を思っていると、突然頭に鋭い痛みが走った。
黒龍は痛みに耐えられず、そのまま気絶した。
…………………
……………
………
…
モモカ『黒龍………黒龍!!
起きなさい!!』
桃歌の声が聞こえて、黒龍はゆっくりと目を開ける。
そこには、心配そうな顔をした桃歌が黒龍の体を必死に揺すっていた。
コクリュウ『お姉ちゃん………?』
モモカ『目が覚めた!!
心配したんだから!!
何で家の前で倒れてるのよ!!』
コクリュウ『家の前………?』
黒龍はそう言うと周りを見回す。
其所【ソコ】は確かに自宅の前だった。
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