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「……は?」
桜の言葉に信が後ろを振り返ると、そこには嬉しそうに笑う桜の姿。
「だってさ、信は最初から俺ら見下すなんて事しなかったじゃん?それに色々と案とか出してくれるし…マジで信が居てくれて助かってるよ」
「そう…か?」
「そうそう。俺らだって信を頼りにしてるんだからさ、信も俺らを頼りにしてくれよな」
「?」
「今回だって一人で行動しようとしてさ…あぶねーじゃん?」
「…まさか、二手に別れるとは思わなかったがな」
信はそう呟きながら後ろの壁へと寄りかかる。
「ほんと…おかしな奴らだな。俺をイヤな顔しないでくれるし、わざわざ心配してくれるし」
「そんなん、友達なんだから当たり前だろ?」
そう言うと信は一瞬驚いた表情をするが次の瞬間少し嬉しそうな笑みを浮かべた。
「…そうか」
「うん、絶対そうだって…あ」
「?どうした?」
「その…ついでにさ、もう一つ教えてくんねぇ?さっき、直樹に言った辛いからって隠すことが全て正しいとは~…って」
信は「あぁ」と思い出したように呟くと開きかけた口を閉じた。
「…止めた」
「へ?」
「それは無事抜け出してから教えるさ」
小さく笑いながらいうと、桜はその真意を受け取ったのか同じ様に小さく笑う。
「オッケー…じゃ、気合い入れて頑張りますか」
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