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「中山っ…!一体これはどう言う事なんだよ!?柄地さんはどうなったんだ!?」
立ち上がり、直樹の胸ぐらを掴むと必死に叫ぶ。
それが恐怖からくるものなのか、仲間が消えた悲しさからくるものなのかはわからないがそれでも気を保つ様に叫ぶ様に聞いてきた。
「なぁ!黙ってないで何か言えよ!?中山ぁ!!」
「…敗者になったんだろ。その柄地って奴は」
信の声がやけに響いた。
二人は「え?」と信へと顔を向ける。
「敗者って…どう言う事だよ…?」
「主催者の説明を聞いてなかったのか?このゲームの勝者になればゲームから抜け出せるが敗者になった場合…待っているのは死、だけだと」
死という言葉に二人は反応した。
確かに大量の血を吐いたのだ。目の前に広がる血の海で再び認識する。
「じゃあ…!柄地さんは…!?」
「恐らくは死んだ…だろうな」
「信!!」
直樹は信に目を向けた。
「…今の状況で嘘は一時の気休めにしかならないし…嘘をついてもいつかはバレるんだ。なら、最初から本当の事を教えた方がいいだろう」
そうと分かっていても納得がいかないらしく直樹は複雑な心境らしい。
「…辛いからって事実を隠す事が全て正しいとは限らない。事実を知らなきゃ先に進む事が出来ない事もあるんだからな」
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