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まるで自分に言い聞かせる様な言い方。
桜は訊ねようと口を開きかけるが止めた。なんだか、聞いてはいけない気がする……例え聞いて良いとしてもまだ聞く時ではない気がしたのだ。
「…で?一体何があったんだよ?」
「敗者」なった柄地の姿。
ルール上はそう簡単に敗者になる事はない筈…
「おっ…!俺たちこの変なゲームっつーのが始まってから一応説明通りに仲間を探し始めたんだよ…」
「それで…さっき見たことない制服来た奴と会ったんだが、ソイツが「トランプ寄越せ」なんて言うから柄地さんがトランプをかけて勝負したんだ…」
「柄地さんは強い。だから喧嘩も簡単に勝てると思った…でも、違った。相手の方が強かった」
「ソイツは柄地さんからトランプを奪うと自分が探してたトランプじゃないのかいきなり破き出した…!そしたら、柄地さんが…!」
柄地が死ぬ光景を思い出したのだろう。
恐怖、悔しさ、悲しみ…様々な感情が混じりながらも必死で声を出した。
「…そいつが、何のカードを集めてるかわかるか?」
信が静かになるべく刺激しない様に訊ねるとしばらくして小さな声で聞こえてきた。
「確か…6か、ダイヤだったはず…」
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