一つの事実

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「トランプ…!?」 「しかも一枚足りないって…」 「トランプは全部で五十四枚…だが、警察の調べでは五十三枚しかなかったらしい」 「でも…今回とは関係ないよね。だってあたし達霧嶺高校とは関係ないし…それにトランプだって、ただの偶然…」 「でもよ、偶然で済むかぁ?」 「だって、あたし達参加者は全部で五十二人なんだよ?つまりトランプだって五十二枚…」 「…いや、違う」 晴夏の言葉に気付いた様に桜は呟いた。 確かに参加者は五十二名だ。 だから使われるトランプも五十二枚?いや違う。もう一枚あるではないか。 「…仲間はずれのカードだ」 「え?」 「忘れたのか?ゲームを支配してる奴もトランプを持っている…つまり、そいつの分を合わせるとトランプは五十三枚になるんだ」 「「あ!」」 そうだ。ペアを見つけるかマークを集めれば良いのだからリスクがある方法をすっかり忘れていた。 仲間はずれを見つける事――― 「…って事は、その足りないのが仲間はずれなんだよな?」 「恐らく…だが警察はそこまで言ってないから俺は知らないぞ?」 信の言葉に直樹が頭を下げると、ふと直樹は視線の先に学校の見取り図らしきものが落ちているのを見つけた。  
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