1965人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、いーもん見ぃーつけたっ!」
直樹は落ちていた紙を拾うとそれを桜たちに見せる。
「学校の見取り図…何処にあったんだこれ?」
「ん?そこに落ちてたぜ?」
見ると辺りにはプリントや本が散らばっていた。
恐らくどっかから一緒に落ちたのだろう。
「…コレは三人の内誰か持ってれば良いだろ」
「信は見ないのか?」
「もう覚えたからな。必要ない」
そうあっさりと言ってのけると、三人は互いに顔を見合わせ見取り図に目を落とす。
「…食堂はどこ?」
「一階の渡り廊下を渡ってまっすぐ行って左側」
「三年三組」
「職員室の真上」
「科学第二室!」
「一旦外に出て向かいの校舎左にある入り口入ってまっすぐ」
再び三人は顔を見合わせた。
どの場所も信の言った通りだからだ。
「…ホントに覚えてんだなー…」
「まぁ…勉強とかしか取り柄がないからな」
「でも凄いよ!今度勉強教えて!」
「あ!東雲ズリぃ!信俺にも教えてくれ!」
「…あ…あぁ……」
「…っつーかさ、緊張感ないよね俺ら」
桜の言葉に三人が桜を見ると桜は苦笑いを浮かべる。
「ん?」
「だってさ、生きるか死ぬかの瀬戸際で勉強教えてって…ある意味凄い余裕だなと」
「あー…だってさ、結構このメンバー凄くないか?なんせ頭の良い信に、空手やってる俺と東雲。…桜は……」
桜を見てしばらく直樹は考える。
「………?」
「何もねぇのかよっ!?」
「中山くん、あぁ見えて桜はツッコミが凄いわよ」
「良し!ツッコミが凄い!」
「今関係ない所か必要ない!」
「おぉ…!ホントだ。桜!俺とコンビ組もうぜ!」
「だから今そんな話してる場合かっつの!」
最初のコメントを投稿しよう!