一つの事実

6/6
前へ
/78ページ
次へ
「~~~~~~♪」 途端、大音量で鳴り響く着メロに全員が慌てた。 その音は最大音量に設定されて居るのか、静かな校舎中では学校全体に響くのではないかという大きさ。 直樹は急いで通話を終了させ、鳴った携帯は音が途切れると同時に「着信アリ」の文字が表示された。 「…っくりしたぁ…!」 「悪りぃ、マナーモード設定すんの忘れてたわ」 「桜~…!驚かさないでよねもう!」 「だが…一応これで連絡が出来る事は分かったな」 「だな。じゃ…そろそろ移動しようぜ。流石にここに居てもしょうがないだろ」 「そうだね…じゃあ次はどこに行く?」 「適当に歩いてきゃいいだろ。誰かと会う事が目的なんだし」 「…少し、いいか?」 「ん?」 「俺は少し調べたい事があるから、三人はトランプを探しててくれないか?」 「間宮くん、一人で行動するつもり?」 「あぁ。一人の方が動きやすいし…」 「ばっかんな危ない事させっかよ!もしトランプ奪ってる奴に鉢合わせしたら一番危ないのは信だぞ!?」 「だな…見た所、信が一番運動出来なさそうだし」 「まぁ…逃げる位は出来るさ」 「駄目だよ!間宮くんが何か調べたいなら二手に別れよう!」 「良し。じゃあグッとパーで…」 どんどん話が進んでいき、つい信も手を出す。 「…俺と信が組みだな」 「じゃああたしと中山くんか…なんか、頭脳派と運動派に分かれた気が…」 「気にすんなって。じゃあ俺と信でちょっと行ってくっからお前らは同じ数字の奴を探してくれよ」 「オッケー。じゃあ集まったら連絡すっから、そっちも用事が終わったら連絡してくれよ」 「あぁ。それじゃ、また後でな」 「うん。また後で」 「絶対にまた会おうぜ」 「…また、な」 互いに言葉を交わし、強く頷くと四人は二手に別れた。  
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1965人が本棚に入れています
本棚に追加