‐招待状‐

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「…は…?」 いきなり何を言われているか分からない桜たちだったが何かがおかしいのは分かった。 どうやら自分たちは学校の一室に居るみたいだが何故こんな所にいるのだろう? しかし、スピーカーから聞こえてくる声は困惑する桜たちを気にも止めない様に言葉を続ける。 『まず、皆さんは一枚の紙とカードを持っている筈ですが…』 確かに紙にはこの紙とカードを持ってくる様に書いてあった。 『…カードを持ってない人が何人かいるみたいですね。残念ですがその人たちは…敗者になってしまいます』 「敗者…?」 一体何を言っているかわからない桜だったが、その意味は次の瞬間分かった。 「がっ…!ゲポッ……」 「きゃあぁあぁぁあ!!??」 突然の晴夏の悲鳴に横を振り向けば、そこに見えたのは口から大量の血を吐いている光景。 「うわっ!?」 「なっ…!なんだぁ!?」 男子生徒がそのまま倒れると、倒れた拍子に床に流れていた血が小さく飛び跳ね桜は晴夏を血から庇う様に、そして目の前の光景を見ない様に晴夏の前に立つ。 倒れた死体はやがて「ぶくぶく」と小さな泡をたてながら溶けていき、後に残されたのは大量の血だけ。 その場に居た全員は思わず息を飲み、ただ黙っているしか出来なかった。 「桜…何これ…」 震える手で必死に桜の制服を掴む晴夏。 晴夏の質問は正に桜にも聞きたい事だった。  
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