1965人が本棚に入れています
本棚に追加
『さて…ゲームの説明に入りますが…』
スピーカーから聞こえてくる声は何事もなかったかの様に説明を始めていくと、自然にスピーカーを見上げた。
『もう気付いている方もいるでしょうが、皆さんの手元にあるカード。それはトランプになります』
晴夏のいう通りこのカードはトランプ…だが、カードは未だに白紙のままでトランプとは言い難い。
『まだトランプは白紙ですが、ゲームが始まると同時に数字とマークが浮かび上がります。そして、皆さんにやって貰うゲームは…ジジ抜きです』
余りにも親しみ慣れたゲーム名。
だからこそ逆にこの異常な世界では更なる異常を感じさせた。
『ババ抜きの場合はジョーカーがババとなりますが、ジジ抜きの場合は何がババか分かりません。そして、五十三枚のトランプの内一枚を僕が持っているので皆さんは僕の持っているトランプ…つまり仲間外れを当てて下さい』
桜たちは首を傾げるばかりだった。
スピーカーから聞こえてくる声がやけに楽しそうな事も異常だが、トランプを使ってのゲームも意味がわからない。
『皆さんがこのゲームから抜け出すには三つの条件の内、一つを満たせば勝者となりゲームから抜け出せます。その条件とはまず先ほども言った通り仲間外れを当てる事。次に自分と同じ数字を見つける事。そして最後に同じマークを三枚以上集める事です。詳しい事は紙に書いてあるので確認して下さいね。それでは、二十分後にゲーム開始です』
最初のコメントを投稿しよう!