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「・・・・・・・・・」
この三点リーダは長門と俺の分だ。
ハルヒのやつが機関誌第二段を作るとか言いやがったので俺たちは再び作文に四苦八苦するハメになったのだが、今回恋愛小説のクジを引き当てたのがこともあろうに長門で、ハルヒは嬉々として長門の恋愛小説を待ち望んでいるらしいのだが完全に煮詰まっていた俺も長門の恋愛小説に興味がないわけはなく、意外にも早々に完成したらしいそれを気晴らしに読んでみたい旨を告げたところこれまた意外にも長門はあっさりと快諾してくれたので読ませてもらったわけなのだが、正直言って俺はどう言ったものか悩んでいた。
もしかすると、幻想ホラーってのはこういうもののことを言うんじゃないのか?
何となく長門が何か感情みたいなものをその無表情の中に浮かべていないものかと思って、コピー用紙から目を離して長門の顔を見てみたもののそこにあったのはいつもどおりの果てしない無表情で、
「どう」
甚だ短い疑問詞が疑問符もなしにどこまでも平坦な声で俺の耳に届けられた。
「いやあ・・・・・・」
何というか、正直言って俺にはこの話に対して言うべき言葉が見当たらない。
見当たったところでそれは言うべきものでもない気がする。
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