MONSTER HUNTER

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雪を踏みしめる音がいやに高く聞こえた。 両眼を焼く白一色の中、動くはこの身ただひとつ。 しかし気配は満ち満ちている。 大地が、空が、知覚が、直感が、声なき叫びを上げ続ける。 時は、目の前に迫っている。 零下の世界。 凍える雪風の中、氷に閉ざされた山々の隙間にも、 しかし確かな鼓動が息づいていた。 それは例えば、細い火を囲む温かな笑顔たち。 それは例えば、洞穴に潜み獲物をまつ爪と牙。 極限で紡がれる命は、常に掛け値ないしなやかさを得る。 時は満ちた。無慈悲な大気は淡々と震え、彼の者の咆哮を乗せてくる。 それは例えば、霊峰を統べる旧き暴君。 粗野ゆえに崇高なその猛りは、時には他の命をも吹き消さんと荒れ狂う。 さあ。狩人たちよ、心せよ。静の世界が牙を剥く――。
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