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―…3年前。
俺は此処、関東に引っ越して来た。
関西で育った俺にとって東の方に来るなんて不安だらけや。
でも俺は17歳っていう年頃の男子でもある。
転入先も決まってるし、新しい生活がどんなんか楽しみって気持ちの方が強かった。
「なぁ父さん、ちょっと散歩に出かけてくるわ。」
俺は引っ越しの荷物を片付けている父さんに一声掛けて出掛け様とした。
「アホかお前ぇ。まだ全然荷物片付いてないねんから暇なら手伝えや!」
そう言って父さんは俺の頭を軽く叩く。
しかし、このごちゃごちゃした荷物を片付ける気にはなれない俺は、自分の部屋になる部屋へと移動した。
この部屋も引っ越しの荷物が大量やけどリビングにある荷物よりは少ないから、俺は自分の部屋を作る事にした。
空っぽの部屋がどんどん俺色に変わっていく。
それが何だか知らんけど楽しくて、部屋は休憩を入れる事なく完成した。
完成した時にはやっぱり4時間くらい過ぎてて、辺りはすっかり夕方だ。
こんな時間やから母さんは夕飯を作り始めたみたいやけど、初めて使うキッチンに悪戦苦闘(笑)
ありゃ結構時間掛かるわ。
そう思った俺は今度こそ出かける事にした。
そーっと玄関を出たら夕方やのに涼しさなんか何処にもない熱気が俺を包んだ。
これは早くどっか涼しい所にいきたい・・・。
此処から一番近くて道知ってる場所は学校だけやから、俺は少しでも早く涼しい場所に行きたくて、小走りで学校へ向かった。
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