新生活

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 「・・そういえば、校内も今日案内しようと思ってたんだけど、どうしようかしら?」  女は校長室を出ると歩きながら俺に問いかけた。    でも俺にはもうそんな時間なんて無い。  だから答えなんて考える間もなく決まってる。  「いや、今日はほんまに時間無いし良いや。多分、迷う事も無いと思うんで・・・。」  俺は当たり前の様な言葉遣いでそう言った。    すると女はまたさっきと同じ、不機嫌な顔つきへと変化した。  俺にはそんな女の考えなんて分からない。  女はそれから黙ったまま俺の先を歩く・・・。    「言葉、気を付けてね。」  女は俺の顔を見る事なく俺にそう言い放った。    「・・・っえ?」    女のいきなりの言葉に俺はこんな反応しか出来ひんかった。  そんな俺に、女は構わずに続ける。    「此処はね、学校であり、私は教師なの。君は目上な人に対する言葉遣いも知らないの?」  女はそう言い、困った様に溜め息を吐く。  そんで俺はというと、女のその言葉に、女の最初からの態度の理由を理解した。    でもそれは無理ない事やと思う。  俺は他人(はた)から見たら見た目が悪い。  いわゆる不良系や。  見た目で全てを認識する大人にはまず良い風には取られる筈が無かった。  
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