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しかし、清春は千明の境遇はすべて心得ている。
何故なら、千明の両親が失踪した原因は清春の父親が経営する企業だったから。
決して初めから今の地位があったわけではない。
会社が綺麗事だけでやっていけるとも清春は思っていない。
今の規模になるためには、度重なる買収合併もあるのは当然だ。
千明の両親が代々受け継ぎ経営していた企業を吸収する際、父親がどんな手段を使ったのかまでは清春には解らないが、しかし千明の家と清春の家に少なからず遺恨があるのは解る。
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