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絶叫した少女は余りの衝撃に仰け反って、真っ青な顔で餌をまつ鯉よろしく口をぱくぱくしている。
「ね、清春。とても素敵なお話でしょう。
そんなに喜んで、本当に素直な子」
当の本人は全く喜んでいないのに、流石、私の自慢の娘ね、とのんきににっこりと笑う母親は酷く満悦だ。
「い…嫌よ!絶対にいや!」
「どうして?こんなに素敵なことはないのに。
あなたにとっても、とても良いお話しでしょう。
ね、銀次君もそう思うでしょう?」
ぶんぶんと首がもげる勢いで拒否してみせる清春など気にせず、母親--京子は隣で控えていた男に話を振った。
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