道端の老人

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
今日もスーツに身を固め、コンビニに迎う。 いつしか私から『私服』とゆうものは無くなり、外に出る時は常にスーツを着ている。 コンビニでサンドイッチと缶コーヒーを買い、今日も目につくのは道路脇に座っている老人。 毎日場所は違えど、必ず何処かの道路脇にヘタッと座っている。 私は初めてその老人を見た時に言い様の無いショックを感じた。 まさか自分の住む街にこのような『現実』があるだなんて思ってもみなかったから… その老人は明らかに何週間、もしくは何ヶ月も風呂に入ってないのは一目瞭然だった。 顔や腕は茶色とゆうより焦茶に近く、日焼けではならないであろう肌の色をしている。 そして足は裸足で靴もスリッパも履いていない。 恐らくボロボロになったから捨てたのだろう。 真っ白で長い髭を蓄えているからか、“仙人”とゆう言葉がピッタリだ。 老人は道行く人々の視界に確実に入ってるはずなのに、通行人はまるでそこに老人が存在しないかのように通り過ぎ行く。 たまに老人を見る人がいても、その目は冷たく蔑んでいるのが分かった。  
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!