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「ところで、何処までいくつもりだ?ここが彼方の家なのだろう?」
気付けば、僕の家を通りすぎかけていた。周囲に比べて厳つい印象を受ける古めかしい日本家屋、てか屋敷。別に金持ちな訳ではないが、代々受け継いでいる家なだけである。
「よく分かりましたね。」
「表札に『高村』と書いているだろう?これから世話になる家なのだ、その・・・見過ごす訳がないだろう。」
いや、そんな頬を赤らめて言われると、こっちも恥ずかしいから。
でも何だろう。家を見つめるシアさんの目には、初めて見るのとは違う、何処か懐かしいものを見るような目をしていた。
考えてみれば、何でいきなり僕の伴侶、つまり妻になるって話になったんだろうか?先祖がどうとか言ってたけど、僕の先祖は一体何をしたんだ。
そういえば僕は自分の家系にはあまり詳しくないけど、実は悪魔と縁のある家系なのかもしれない。てか悪魔が実在してる時点で驚きだ。
オカルトは肯定的ではないが、否定的でもない。目の前に確かに存在している以上は、信じるしかないな。だからって結婚とかは信じたくはないけど。
だってまだ高校生ですよ?この歳で人生を決めるのは少し早すぎだろう。
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