第一話 シア、大地に立つ

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それにしても、立派な木だ。どれくらいの大きさなのかと上を見上げて、絶句してしまった。 木の上に、誰か立ってる? これはあれかな?世を儚んでの飛び降り自殺とか? あはは~、未来への飛翔? ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 大変だーっ!! こういう時はあれかなっ!?まずは警察に連絡とか・・・その間に飛び降りちゃうよっ!! そうだっ!!こういう時は優しく説得して・・・いやいや、下手に刺激して逆に悪化したら大変な事になる。でも何とかしないとっ!! まずは落ち着いて、落ち着いて。慌てない慌てない、一休み一休み。そういえば家に姉のお土産があるんだった。よし、家に帰って・・・ 帰っちゃ駄目だよっ!? よし、まずは冷静になろう。そうだクールだ、クールになるんだ。困っている人を見捨てるなんて仁義に反する・・・僕はヤクザか? とにかく、まずは話をしてみるべきだろう。実は自殺じゃなくて単に木登りを楽しんでいるだけかもしれない。・・・いやいや、高過ぎだよ。スリルを楽しむにも程があるよ。 じゃあ他の理由? 例えばコンタクトレンズを落としたとか?普通は地面だし。 じゃあ電波受信中?微妙に関わるのが怖くなるね。
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