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「人を探しているんだ。」
多分悪魔な人の質問は、割と普通だった。てっきり悪魔の契約でもさせられるかと思ったよ。いつの間にかすぐ側に立ってるし。
「実は数年ぶりに来た街で、道に迷ってしまったんだ。辺りの風景も変わっているから、途方に暮れていたんだよ。」
こうして見ると髪の色とかに違和感がない。地毛と言われたら信じられるようだった。目もコンタクトレンズじゃないみたいだし。
ぶっちゃけ可愛い。
美人と言うにはまだ幼さを感じる顔立ちだが、逆にそれが魅力に感じる。
「約束を果たす為に来たのだが、その相手がなかなか見つからないんだ。まだこの街に住んでいるのは確かだから、会えるはずなのだが・・・」
「人探しですか?僕に手伝える事なら協力しますよ。」
最悪の場合、交番で聞くのも方法だろう。どんな相手かは知らないけど、真っ当に生きてる人なら見つかるはずだ。
「それで、どんな人なんですか?何か特徴とか・・・」
「うむ、最後に会った時の年齢から計算すると、君と近い歳だな。」
つまり学生か。高校生となると学区ごとではないから厄介かもしれない。
いや、もしかしたら中学の時に面識があるかもしれない。
「名前とか、分かります?」
「うむ、知っている。相手の名前は『高村彼方』というのだ♪」
・・・高村、彼方?
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