第一話 シア、大地に立つ

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「人を探しているんだ。」 多分悪魔な人の質問は、割と普通だった。てっきり悪魔の契約でもさせられるかと思ったよ。いつの間にかすぐ側に立ってるし。 「実は数年ぶりに来た街で、道に迷ってしまったんだ。辺りの風景も変わっているから、途方に暮れていたんだよ。」 こうして見ると髪の色とかに違和感がない。地毛と言われたら信じられるようだった。目もコンタクトレンズじゃないみたいだし。 ぶっちゃけ可愛い。 美人と言うにはまだ幼さを感じる顔立ちだが、逆にそれが魅力に感じる。 「約束を果たす為に来たのだが、その相手がなかなか見つからないんだ。まだこの街に住んでいるのは確かだから、会えるはずなのだが・・・」 「人探しですか?僕に手伝える事なら協力しますよ。」 最悪の場合、交番で聞くのも方法だろう。どんな相手かは知らないけど、真っ当に生きてる人なら見つかるはずだ。 「それで、どんな人なんですか?何か特徴とか・・・」 「うむ、最後に会った時の年齢から計算すると、君と近い歳だな。」 つまり学生か。高校生となると学区ごとではないから厄介かもしれない。 いや、もしかしたら中学の時に面識があるかもしれない。 「名前とか、分かります?」 「うむ、知っている。相手の名前は『高村彼方』というのだ♪」 ・・・高村、彼方?
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