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「実は両親から一度帰ってくるように言われていたのだ。折角なので彼方も呼んでこっちで夕食にしようと思ったのだ。」
「僕の意思はっ!?」
「二人共謁見の間で待っている、あまり待たせるのも悪い。」
僕の抗議を軽く無視して、シアは進んでいく。
まぁ夕食をこっちで食べる事には特に反対する理由もないし、お言葉に甘えてしまおう。
「あ、彼方。先に注意しておくが、私から離れないようにしてくれ。一応この城は侵入者撃退用に特殊な魔術を建物にかけているのだ。」
「・・・どういう意味?」
「万が一はぐれた場合、特殊な迷路に入り込んでしまう。だから出来るだけはぐれないように、こうした方がいい。」
そう言って、シアは僕の腕に手を絡めた。俗に言う、腕を組んで歩くカップルの完成だった。
「し、シアっ!?」
「かかかか勘違いするな、これはあれだ、彼方が迷わないようにする対策だっ!!」
気付けばシアの手は微かに震えている。顔も真っ赤だし、どうやら照れているようだ。
このツンデレめっ!!
まぁこんなシアを見てしまうと文句なんて言えない・・・
ち
ょ
っ
と
待
て
いつもシアはこれ以上の事をしているじゃないかっ!?
照れるポイントが分からない。
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