第八話 いい旅魔界気分

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「前回はあまり魔王らしく無かったから、今回は魔王らしさを出してみたんだけど、どうだったかな?」 「かなり安っぽいです。」 素直な感想を口にしてみた。だって今時あれは無いだろう。何かもうゲームのラスボスって言うよりも中ボスだ。 「なかなか難しいね、これでも結構考えたんだけどね。」 「もう少し事前の仕込みを考えるべきだと思いますよ?途中に何のイベントも無いから盛り上がりに欠けますし。」 「ふむ、父親の最後を見届けるとかかな?」 「悪くは無いですね、他にも複雑な謎解きとかも重要かもしれませんね。」 「なるほど、複雑な謎解きが物語を盛り上げるんだね?」 そう、RPGにおいて謎解きは重要な事なんだ。困難なダンジョンだからこそ、それを終えた時の満足感が得られるのだ。 「彼方君、やはり君は素晴らしい男だね。男のロマンをしっかりと理解している。私の家族は女性ばかりだから、なかなか理解してくれないんだよ。」 「分かります。僕の姉さんもこういう事にはあまり理解してくれませんから。」 「やはり男はいつまでも秘密基地を作るという少年の心を忘れてはいけないね。」 以前から思っていたけど、ここまで話しやすい魔王っていうのはどうなんだろう?
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