5人が本棚に入れています
本棚に追加
もちろん眞鞘は季華を家まで送っただろう。
でも、きっとあの子は家では泣かない。
この寒空の下、、、
やっぱり。
俺が息を切らしてたどり着いたのは、
眞鞘と季華が初デートをした緑地公園。
子ども用の砂場の端に、しょんぼりした姿を見つけた。
「おねぇーさん、こんなとこでこんな時間に何してんの?」
俺はおどけて言ってみた。
季華は俺をチラッと見ると、
砂を弄りながら
『…情報早いね。
…ねぇ。
嫌なんだけどさ。
今日はちょっと甘えてもいい?
ってか、さすがだね。私の居場所。
まさなら絶対わかんないのに。
わたし、眞弘を好きになればよかったのに。』
「らしくないこと言うなよ。
俺を好きになれば良かったって、俺はキープ君か、こら!
今日だけだからな、どんとこい!」
ほんとは、それでもいいから俺のとここいって言いたいのをぐっと堪えた。
『ごめん、ありがとう。』
季華はそういって俺にすがり付きながら声もなく泣いた。
身体中の水分がなくなるんじゃないかってくらい泣いて、泣きつかれて寝てしまった。
最初のコメントを投稿しよう!