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「…岬さん…」
秋の宵に吹きつける風のような、澄んだ声。
頬を赤らめ、瞳をうるませ、何の予告もなしに岬の胸によりそってくるソラ。
…ひぃっ!?
思わず飛びはねそうになるのを、懸命に抑える。
刹那の速さで鼓動を刻む心臓が、今にも口から飛び出そうだ。
――月の光を存分に受けた、腰まで裕に達するソラの長い髪。
小顔で、大きいつぶらな瞳。
細くて、折れてしまうのではないか、と心配になってしまうくらいに華奢な体。
そして最も特徴的な、一際大きいまるで触角のような二本のアホ毛。
それらを全て含め、ソラはとても神秘的で、とても可愛い。
この広い世界に、まるで彼女だけが存在を許されたかのような、そんな感覚を覚える。
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