真夜中の闇で

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両足…いや、体全体が… 「動かない」のではなく… 何か、無数の腕のようなもので、「押さえつけられている」という事実に… (?!嘘…) 途端、体中からスウっと、血の気が引いていった。 足が、ガタガタ震え出す。 そう、震える事は、出来たのだ。 (何…何で…?) その時の私は、恐怖のせいで、半ばパニック状態になっていた。 と、突然目の前に、スッと白いものが浮いた。 (?!) 呆然とする私の前でそれは、ユラリユラリと揺れながら、次第にひとつの形を作っていった。 顔も体も白い布で覆われ、唯一口元だけが覗いている、人の形を…。 不意に、その口が動き、何か言葉を紡ぐ。 しかし、 (コイツが原因だ!) 反射的にそう確信した私に、その言葉を聞く余裕はなかった。
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