【闇へ】

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俺はいつも乗る車輛を決めている。地下鉄に限らず、ほとんどの電車でそうしている。 進行方向より3輛目に乗ると決めている。特に理由はない。当然、この日だって3輛目に乗る。 プシュー… ドアが開く。降りる人はなく、時間のせいか車内にも数人いる程度だ。 この駅から3輛目に乗ったのは俺と主婦だろうか?2人だけだった。 プシュー……ガタン 電車が走りだす。俺は2駅目で降りるからイスには座らない。 イスはガラガラなんだけど、あえてドアの所に立つようにしている。 地下鉄だから外は壁。暗いので自分の姿がガラスに写っている。 …別に俺はナルシストじゃない。 しばらくし、アナウンスが流れ、次の駅に着いた。 停車時間は1分もない。 発車ギリギリで一人駆け込んで来た。 30代半のサラリーマンだろう。 プシュー…ガタン 俺の降りる駅は次だ。普段なら…。
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