銀魂ミニ小説

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~嫌いになれない~ SOGO 『そろそろ機嫌直したらどーでィ』 「…………」 ムカつく。 なんであたしが宥められなきゃいけないの。 『あれぐらいで拗ねるよーじゃあ、姫もまだまだですねィ』 「ムカつく!!あたし総悟の玩具じゃないもん!」 せっかく! せっかく、せっかく!! 総悟の非番の日。 久しぶりのデートだから、 気合いいれておニューの着物着てきたのにっ! 『あれですねィ。豚に新宿?』 「真珠だよ、馬鹿野郎」 ツッコミ体質な自分が憎いよ。 『睫毛がひじきみたいですねィ』 「マスカラだよ、コノヤロー」 オシャレしたのは、君のためだろーがっ!! 「もーいい、帰る」 あたしは、総悟に背を向けて家への帰路を歩きだす。 ん? 歩き出したハズ… お腹が苦しくなって、前に進めない。 振り向くと総悟が、あたしの帯を引っ張っている。 おまえかコノヤロー、苦しいんだよ。 「なに?総悟、苦しいよ」 『姫…帰らないでくだせェ』 シュン……… シュンて!!正に捨てられた仔犬みたいな!! あぁ、勝てない。 いくら酷いこといわれても。 あたしは君を嫌いになれない。 「ケーキ。ショコラケーキ奢りね」 くるっと総悟の左手を掴んで、並んで歩き出す。 『また太りますぜィ』 「うっさィよ」 『イデッ』 軽く君に頭突きをかます。 笑いながら、君と歩く。 意地悪されたって、構わないよ。 君がスキだから。 あたしだけ、見ていてね? END
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