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「なかった事になんて出来ない…あの事件だって、あなたを愛した時間の一部だもの…。どんなに独りで生きようと、チトセへの想いは消せないの…!!」
「…ッ!」
急に引き寄せられ、アタシの顔はチトセの胸に押し付けられた。
アタシを抱き締める腕に力がこもる。
それはとても熱く感じられた。
懐かしい感触にアタシは堪えきれずに泣いた。
「チトセ…チトセ…!!」
「ミユ…!」
無心に抱き着くアタシを、チトセは優しく…そして力強くまた抱き締めてくれた。
アタシ達は声にならない気持ちを抱き締め合う事で埋めようとしたのだろう。
今はただ、腕に伝わるお互いの感触や温もりに胸が詰まった。
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