6.それぞれの変化

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 第二廓に客間の準備が出来た旨を聞くと、レンシェは手慣れた風に各廓を担う女官達にグーウィン夫人を任せた。  「なんか、すっかり慣れた感じだな?」  ラキタスが言うと、レンシェは苦笑して手を振った。  「そんなこと、ない。まだ慣れてないもん、わたし。全然」  「そうかぁ? 女官呼び付ける感じ、ちょっと貫禄あったぞ」  「女官さん達、『何かございましたら、是非わたくしに!』って、皆言ってくれるんだもん。だから、助かってるの」  「成程ねぇ。皆、大神殿の賢者様に、お近付きになりたいわけだ」  レンシェは小首を傾げてラキタスを見遣った。  「どして?」  こんな風に尋ねられては、エルトでなくとも彼女を可愛らしいと思うに違いない。  ラキタスは妙に照れ臭くなって鼻の脇を掻きながら、ややレンシェから眸を逸らした。  「そりゃレンシェが頭が良くて、話上手の聞き上手だからだろ?」  茶器に伸ばしていた手を止め、レンシェが目を瞠{みは}る。  「話上手、聞き上手? わたしが?」  「ああ。何、自覚ない?」  「ないない。わたし、自分で勝手に喋るよ、いっぱい」  「でも話し方上手いから、聞いてて退屈しないんだよ」
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