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「───ですので、それらは後回しとし、政難を最優先課題とさせて頂きました。以上です」
書類決済の報告を終えたクィティナに、シェルヴィスは尊大な仕草で頷いた。
「大儀であった。後でトリィク宰相にも労いを掛けておくように」
「有り難きお心遣い、喜んで頂戴致します」
「したが、引き続き我が国の政難が諸外国に露呈されることなきよう、箝口令を徹底致せ。万一にも事を洩らす者のあらば、即刻報告するよう」
「心得ております」
慇懃に目を伏せるクィティナに、シェルヴィスは続ける。
「それと、我が態については悪しきなるなく健やかなるものと国民に伝え、民に余計な憂いのかからぬよう、取り計らうように」
「承りました。お召し仰せに御意のままに」
決済報告を受けるべく寝台に上身を起こしているシェルヴィスではあるが、それも快方あってのことではない。クィティナに手を借り、ようよう身を起こした有様だ。
シェルヴィスが倒れたことは国民に公開されてしまったが、その病状については順調な回復ぶりであるとしている。そうでなくては、国民の心に益のない憂いが根を下ろすばかりである。
シェルヴィスもそれを懸念し、城下への報告には細心の注意を払っていた。
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