芽生え

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会ったのは正月。 両親と一緒に父親の実家に泊まりに行ったとき。 正月はよく実家に泊まりに行く、その時親戚一同泊まりまではいかないが、正月だから…と集まるのだ。   その時の俺は同年代の従兄弟と話をしていた。 でも、泊まるつもりではなくその従兄弟は帰ってしまった。 話相手も居なくなり、あまり慣れない場に居たこともあり僕は少し疲れていた。 でも運悪く一人で居る僕を伯父さんが見つけてしまい絡んで来た…。   「よぉ~明君、飲んでる?」   「い…いえ、まだ未成年なんで汗」   「え~お正月なんだしちょっとくらい大丈夫だって♪お父さん達には言っとくから、ほら♪」   ずいっとビールが入ったコップを渡してくる。別に飲みたくないと言うわけではないが、疲れていたし伯父さんと飲むのもどうかと思い、どう断るか迷っていた時あの人と会ったんだ。   『皆さんあけましておめでとうございます!!ご無沙汰してました~!!』   「真緒ちゃん?(まお)久しぶりだねぇ」   まお?誰だ?   その真緒と呼ばれた女の人は皆に久しぶりと挨拶されていた。   僕の家族はここ十年毎年実家に来ていた。なので大抵の人の顔と名前は覚えていたのだが、この真緒って人は記憶に無い。 だから特に気にもかけず、伯父さんの気も僕から逸れたので休んで居ると、次はその人が話かけてきた…。   『あれ?もしかして明君?』   「…そうですけど。」えっ…何で話かけてくるんだ汗   『ホントに!?大きくなったねぇ。私のこと覚えて無いかな?たしか…十年くらい前に会ったと思うんだけど…?』   会ったことあんの!?全然覚えて無いよ汗   「真緒ちゃん、十年前って言ったら明君七歳だから微妙じゃない?」   微妙どころか全く記憶にないんですけど…。  伯父さんの言葉に真緒さんはそうかぁ…。と残念そうに笑っていた。   『十年かぁそりゃ私も歳とるよねぇ…アハハ♪』   歳とるって…全然若いじゃないですか。と何気なく僕が言うと皆がポカンとしてる。 僕何か変なこと言ったかな?   『…えーと、明君は私…何歳に見える?』   「…26・7歳?」 まぁ…もっと言えば30歳くらいにも見えはなくないけど、いきなり30歳は酷いだろ。   そう言ったらなんか皆笑いを堪え始めてるし…なんなんですか?   でも次の言葉で僕は唖然としてしまった…。 
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