誘惑

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男は饒舌に 『僕』に語りかける。 今の時代の情勢だとか 株の話だとか 大きな話ばかりで 嫌になる。 最終的な男の 言いたかった事は 「金さえあればいい」 という事だった。 『僕』はその場しのぎの愛想笑いで切り抜けようとしていた。 すると男は 急に顔を近づけて こう言った。 「2億円稼げる話が あるんだが… 乗らないか?」 「2億円!?」 あまりに現実離れした金額に 『僕』は唖然とした。 男は静かに耳元で言った。 「兄さんの命… 2億円で売ってみないか?」
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